☆ 雑文4
―熊の惑星―
・・・彼らがそこで見たものは、朽ち果て、半ば砂に埋もれた、
二宮尊徳の銅像であった。
「奴らの中学校から、夜中にここまで走ってきたのに違いない」
彼らは呆然と立ち尽くしていた・・・
―犬の惑星―
・・・彼らがそこで見たものは、朽ち果て、半ば砂に埋もれた、
大仏であった。
しかしアメリカ人である彼らはこれを知らなかったので、
じつはここが地球であったことには気付かなかったのであった・・・
―牛の惑星―
・・・彼らがそこで見たものは、朽ち果て、半ば砂に埋もれた、
エッフェル塔であった。
「東京タワー?ここは、この星は、地球だったのか?」
彼らは呆然と立ち尽くしていた・・・
―馬の惑星―
・・・彼らがそこで見たものは、朽ち果て、半ば砂に埋もれた、
エジプトはギザのスフィンクス像であった。
「ナポレオンが発掘したんだぜ」
不毛な雑学を、誰かが言った・・・
―鯖の惑星―
・・・彼らがそこで見たものは、朽ち果て、半ば砂に埋もれた、
毛沢東の肖像画であった。
「革命万歳!」
彼等は使命感に燃えて、もときた道をひき返した・・・
―鶴の惑星―
・・・彼らがそこで見たものは、朽ち果て、半ば砂に埋もれた、
忠犬ハチ公の像であった。
「こんなトコで写真撮るの、やめなよ」
彼等は肘でつつきあった・・・
―さぶの惑星―
・・・彼らがそこで見たものは、半ば砂に埋もれた、
四肢の壊れた女神像であった。
「不自由の、」
発言者は沈黙した。