☆雑文9 となりのトトロの英語版


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映画DVDの楽しみには、おまけ、という要素をはずせない。

絵コンテであったり、没カットであったり、監督の自分ツッコミまる一本分、があったりする。

また、原語、吹き替え、まとめて入っていて、邦画でも英語に出来たりする。

 

 この間、ブックオフでジブリの資料集が立ち読みできたので、また見てみたくなったわけである。

となりのトトロ。

1988年徳間書店。03年現在15年前の映画。なんともはや。

 

 まあ、良いものは良いのであった。

メッセージ性なんてものも特に無く、「古きよき時代」を「”高貴な客人”の甘さ」から描いた、

およそ悪く言う気を起こさせない名作である。ああ、感動しまいた。

 

 さて、おまけおまけ。ない。

 おまけは無いが、言語メニューがある。日本語、英語。 英語?  英語。

となりのトトロが英語。

日本語/ENGLISHではなく/英語、なのが、かすかな抵抗なのだろうか。

 仕方ない、グローバライズされたトトロを見てあげようではないか。

 

 古きよき’30年代、貧しいアジア系部落に追いやられた日系家族と森の精霊の物語。

すべてぶちこわし。

 清く貧しく美しく、貧困に負けない明るい家族愛。

ぶちこわれ。

いや、誰もそんなことは言っていないが、どう見てもそんな感じ。そもそも日本だともわざわざ言ってないし。

 それにしても会話が英語になるだけで、どうしてこうなるか。

気にするはずも無かった全体的な貧しさが、なぜこうも前面に押し出されるのだろうか。

「イッツ ユア ランチボックス」と言って飯に梅干、めざし一匹、でんぶに青菜。

カンタ、正しい昔の日本の少年が、『ホームアローン』みたいな裕福なWASPの変声期前のガキを思わせる声で。

わたくしの狭い世界では、耳と目が違う対象を認識してしまう。

 

 微妙なアメリカナイズとして、トトロやネコバスの声にエコーがかかって重低音になっている。

それは違うよ、アメリカ人。

何がどうとはいえないけれども絶対違う。

お婆ちゃんがナンマンダブツを唱え続けるシーンでは、聞き取れないが違う言葉を言っている。

ひょっとすると聖書だが憶測でものを言わないほうが良いだろう。

 こうなってくると、娘とお風呂に入る優しい父親も、十数年後にはナニヤラで沢山持っていかれそうだ。

 あと、メイが4歳から5years oldになっている。何か州法でもあるのだろうか。

 

 結論としては、「好きなものはそっとしておくべき」という立場を痛感させられた英語版であった。

そう思わない人はぜひ見て欲しい。

エンディングテーマの最後「ふしぎなであい〜」を”It's magic for you〜”なんてキレイに〆ても、だめ。

 


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